植物から生まれる紙もある

洋紙とわたしたち

  最新のテクノロジーを享受し、日々快適な進化を遂げている私たちのライフスタイル。デジタル化に拍車はかかり、インターネット人口が増え、スマートフォンも浸透。印刷・情報用紙等を筆頭に、紙の消費低下につながるであろう要因は、確かに存在しました。しかし、世界規模の視点で見渡してみると、現実は違います。世界の人口そのものが爆発的に増えているために、紙の需要は、伸びている一方なのです。

 新聞、書籍、雑誌、広報誌や機関誌、チラシ、通信販売の本など、情報系のツールとしては勿論のこと。ノート、プリンタ用紙、紙箱、包装紙、ティッシュペーパー、紙パックなど、ふと目をやれば常に私たちの身近にあるのは、質感や性質に富む個性ゆたかな紙。

 今、日本で使われている紙の99%以上は、木材から作られています。しかしながら例えば中国では、紙と言えば、非木材紙のことを指します。消費のために使われる全パルプに対して、非木材パルプが占める割合は中国では80%以上、インドでは60%以上、イタリアでは約15%、アメリカでは0.4%です。そして日本では、その割合は僅か、0.1パーセントほど。

 森林伐採や地球温暖化問題も複雑に絡み合う現代。非木材パルプから出来た紙を上手に生活の中に取り入れることは、未来の地球を思い遣る優しい姿勢だと言えるのではないでしょうか。先進国に生きる私たちは、グローバルな視野で物事を捉える機会に恵まれています。あなたも今日から、非木材紙が担う役割について注目してみませんか。